グァテマラ女性に金獅子賞
グァテマラ女性レヒーナ・ホセ・ガリンドが、ベネチア・ビエンナーレで若手のアーティストに与えられる金獅子賞を獲得した。
全般では、ドイツのトーマス・シュッテが賞を獲得。フランスが国別の優秀パビリオンに選ばれた。
ガリンドは31歳。グァテマラの、とりわけ女性に対する暴力による犠牲者に捧げられたトリプティックで、現代美術で最も価値ある賞の一つを獲得した。
ビデオ作品の一つ『誰が足跡を消せるのか?』で、彼女は血でいっぱいになった洗面器を持ってグァテマラ・シティの通りを歩く。そこへ足を浸し血まみれの足跡をのこしていく。
そして最後のその容器を、兵士の一団の前に置いていく。
他のパフォーマンス『ゴルペ』では、2004年から2005年にかけて殺された394人の女性を追想している。
審査員は「ガリンドの作品は権力への怒りに満ちた行為を、パフォーマンスとドキュメントによって正確に視覚化したトリプティックに纏めて作品にしている。賞に相応しいものだ」と語った。
存在感を増すラテンアメリカ
この日曜日に一般公開されるベネチア・ビエンナーレは、110年の歴史ではじめて、二人の女性、スペイン人のマリア・デ・コラルとロサ・マルティネスがキュレーターをつとめる。
開会に出席したジャーナリストの何人かは、地球上の他の地域に比べてラテンアメリカの作家の露出が多すぎると不満を漏らした。
しかし、ロサ・マルティネスはBBC Mundoに対し、作品を選ぶ基準は「その作品の質と意義」だけだと語った。
「もっとも重要なのはラテンアメリカの女性が、若手に与えられる賞を獲得したことだ」。
マルティネスは「ラテンアメリカの現代美術は世界的に見ても大きな力を持っている」とつけ加えた。
「サンパウロのようなビエンナーレがあることや、すべてのラテンアメリカにはモダニズムの伝統があることなどは(ヨーロッパではほとんど知られていないが)、重要なポジションにあることを示している。しかし、さらに再発見される必要があるし、世界のアートとの関係で考え直されなければならない」。
他の作家たち
ビエンナーレに参加した他のラテンアメリカの作家には、メキシコのガブリエル・オロスコ、アルゼンチンの、ホルヘ・マッチ、レアンドロ・エーリッヒにセルヒオ・ベガ、キューバからはタニア・ブルゲラ、カルロス・ガライコラ、ディアンゴ・エルナンデスなどがいる。
ブラジルも、ホセ・ダマセーノ、シエド・メイレレス、バレスカ・ソアレス、ラウラ・ベレンらの作品で強烈な展示を行った。
さらに、アルゼンチンのパビリオンと、ボリビア、チリ、コロンビア、コスタリカ、エル・サルバドール、グァテマラ、ハイチ、パナマ、パラグァイ、ペルーとドミニカ共和国の展示を行うパビリオンがあった。
他に、ブラジル人のイスマエル・イーボの監督によるビエンナーレのコンテンポラリー・ダンス・プログラム「ボディ・アタック」の一部として、ブラジルのインディヘナのグループ"Xavantes de Mato Grosso"やキューバのコンテンポラリー・ダンス、チリのサンティアゴ・バレエが参加している。
キューバのダンス・グループは、金曜にアフロキューバとクラシックバレエ、さらにコンテンポラリー・ダンスの粋をミックスした『コンパス』をマリブラン・シアターで踊った。振り付けは生命力と優美さに満ちたものだった。
ベネチア・ビエンナーレは、今年11月6日まで開会している。BBC Mundo.com
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