martes, marzo 20, 2007

『移動の技法』#5


眠れぬ夜にロンドが舞っている。目を開いても閉じてもその暗闇はかわりはしない。かつて修道院だったとも言われるその宿の夜の静けさ。(「旅に出ると記憶に押しつぶされそうになる」)、いつか旅行者の友人がわたしに呟くように語った。ロンドの速度が増し、舞踏病の姉さんが階上で惚けたように爪先を交錯させるのが見えるようだ。姉さん。そして夜の静けさが破け、天上が破け、姉さんが降ってきた!姉さん、。白い花嫁。1992年12月24日。ウルグアイ69。

sábado, marzo 10, 2007

アルゼンチンの日本


ブエノスアイレスの新聞Clarínの文化欄に、今アルゼンチンでは日本文学がブームであるという記事がありました。やはり一番売れているのは、川端康成、村上春樹と吉本ばなながつづきます。現在は小説だけではなく、映画や漫画まで日本文化全体についてよく知っている人も増えているとのこと。
記事は、古事記からはじめて日本文学の概要を解説するというかなり力の入ったものです。

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viernes, marzo 09, 2007

名代☆日々是メキシコ


メキシコシティに到着した長屋美保、爆走更新中です。乞うご期待。

sábado, marzo 03, 2007

パラグアイのデング熱

パラグアイでデング熱が流行し、国家非常事態宣言が出ている。日本ではほとんど報道されていないので、やはり載せておかないとだめだろう。外務省の安全情報は2月7日に出ている。
非常事態宣言は今週水曜に出され、死者11人、現在15000人の患者がいると言われているが、実際にはその10倍くらいの感染者がいると推定されている。事態がパニックに近い状態になっているのは、担当部局の高官が、死亡したり、大統領の息子の一人や、サッカーのクラブチーム、リベルタの監督が感染したり、いわゆる有名人に感染が広がっていることが原因していると思われる。
感染は、昨年初めには確認されていたのに、厚生大臣は対策を取らなかったと、辞任を求める動きも始まっている。

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viernes, marzo 02, 2007

Buenaventura y Caney


こうした映像を見ることができるのが、YouTubeの楽しみのひとつなんだろう。グルーポ・ニーチェの『ブエナベントゥーラ イ カネイ』。オリジナルを歌ってるアルバロ・デル・カスティージョがボーカルで、すでにティト・ゴメスも加入している頃だから、85,86年くらいの演奏シーンなんだろうか。80年代の終わりにはぜんぶクビにしちゃったオリジナル・メンバーもほとんどまだ残っています。ブラックとラテンの絶妙なブレンド。めちゃくちゃカッコイイと思い。やはりぼくは深くこの音楽を愛していたんだと、あらためて思う。

domingo, febrero 25, 2007

『移動の技法』のための覚書

「ニューエイジ・トラベラーは1970年台末にイギリスに登場し、非常に多様な階級を出自とする新しいコミュニティによって構成されている。彼らは職業や体面、家族についての支配的な価値観を拒否するという点で共通性を持ち、持続可能で、より有機的な生活様式に基づくオルタナティブなライフスタイルを求めている。彼らは脱物質的な価値観の表現とみなされ、純粋に「文化的な」社会運動を代表している。ニューエイジ・トラベラーは、支配的な社会を変革しようと望むよりも、自由の支配するロマンティックなオルタナティブを求めてそこから避難する。しかし、境界的な瞬間や旅の途上の瞬間にしか自由を見いだすことができないのであるから、そこでの要点は到着の一時的な留保につきる。」ジェラード・デランティ『コミュニティ』p201-202
『移動の技法』は、その「瞬間」がどんどん切り詰められて、最後にはなくなってしまう課程である。

miércoles, enero 31, 2007

『移動の技法』#4


褐色のマリア。その皺の入った年老いた顔。それは何年経っても年老いたままだった。わたしは日毎に老いていく。わたしの青年期と老年期。メキシコ・シティ。たとえば、ホセ=アントニオ。トーニョ。一枚の写真のなかで彼はアロハシャツを着て右手にナイフ左手にバナナを握りベッドに腰かけている。目は笑ってない。そしてわたしの部屋のまえに座り込んで言う。「疲れきっている」。精神的にも経済的にも破綻をきたしている、どうかもっと安い宿を探しにゆくのにつき合ってはくれまいか。そしてわたしたちはセントロ中その安い宿とやらを探しに潜ったり上ったり半日を費やしたわけだ。(インディオの群につぶされそうなひとりの白人とひとりの東洋人。チューブ。管。)疲労はわたしにも伝染しており、ホテルにはあと半ブロック。帰る寸前、にやりと笑って彼はわたしに言うだろう。「と、いうわけで結局ここにとどまることにした」。わたしの部屋の洗面台には洗いかけの衣類が残っている。そんな一日もある。メキシコ・シティ。(そうしたあいだにも老マリアは、モップで廊下を拭っている)。老化と疲労。活力はけっして伝わらないと言ったのはフィッツジェラルドだった。メキシコ、翼ある蛇。