martes, mayo 31, 2005

中南米版「アルジャズィーラ」

反米姿勢を強めるベネズエラのチャベス大統領が中南米諸国向けに20時間放送を行うテレビ局を開設し、首都カラカスから試験放送を始めた。ウルグアイやアルゼンチン、キューバなど左派政権の国々も資本参加。中東カタールのテレビ局「アルジャズィーラ」のような存在を目指すという。

 新会社は「テレスル(南のテレビ)」と名乗り「中南米ニュースを独自に発信する」方針。ブラジリアやハバナ、ワシントンなど計9カ所に記者を派遣。今年9月からニュース番組を中心に本放送を開始する予定だ。

 現在、同全域をカバーするテレビ局では、米国CNNテレビのスペイン語放送の独壇場。チャベス大統領はかねて「なぜ米系のテレビ局でしか南米のニュースを知ることができないのか」と語っていた。

 新放送局の会長には同政権のイサラ通信・情報相が就任、スタジオも国営ベネズエラ放送に隣接するビル内に設置された。同相は「(放送は)政治的な武器に使うものではない」としているが、早くも報道の「中立性」が疑問視されている。 (12:44)日経新聞